「書類祭り」に参加する

頭が痛い……。1限から4限まで授業。
その後書類祭りに参加した。「わっしょい、わっしょい」の掛け声とともに、福岡の町を練り歩いた。
■まめちしき
「書類祭り」はうちの大学に太古の昔から伝わる祭りで、年に数回行われる。
厳正なる抽選によって、教職員から2名の年男が選出される。11月になると年男は書類室(かきのものむろ)に入り、10日間の書類作成に取りかかる。この間、年男たちは言葉を交わすことは許されず、寝ることも許されていない。作成する書類の量によって、今年の豊作を占う意味もあり、年男には相当のプレッシャーがかかる。
10日の間に作成する書類の内容は、「遠足のお知らせ」「肩たたき券」「高度情報化推進促進機構発足提案活動推進準備書類作成支援委員会会報準備号の下書き原案」「笑点の獲得座布団枚数が世界経済に及ぼす影響について」「荒井注の存在─ダイナミックアプローチとエスノグラフィの視点から─」など、幅広い内容に及ぶ。書き上げる枚数はのべ10億万枚を越える。
10日間の書類作成を終えた後、年男たちは大勢の拍手に包まれて室から出てくる。ここからが祭りのクライマックスだ。書き上げた書類は「班固(はんこ)」という儀式の後、その場で燃やされる。近年では地球環境保護のため、燃やすのではなく、シュレッダーにかけられるようになった。シュレッダーのバリバリという音が、肉体的にも精神的にも疲れ切った年男の労をねぎらう。たぶん。
その後、年男を神輿に乗せて町を練り歩く。この練り歩きは担ぎ手を交代しながら、1週間にも及ぶ。この祭りが終わると、いよいよ福岡も冬を迎える。

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