50円のトランシーバー

20030127.jpg子供の頃に通っていたおもちゃ屋 すでに閉店していた
今日は来客が多く、会議などもあり、結構あわただしい一日であった。
注文依頼しておいた研究図書が数冊届く。興味深いものがたくさん。明日は会議も無いのでじっくりと読書の時間にすることにしよう。
■閑話休題
「だるまや玩具店」というお店は忘れられない想い出のある店だ。今年の始めに帰省したときに訪ねてみた。
僕は幼稚園ぐらいの時にお小遣いをもらいはじめた。今でも鮮明に記憶に残っているが、「お金を持つ」ということは、まるで羽を得たような気持ちだった。
お金を払ってガムを買うことができる、お金を払ってラムネを買うことができる。
おのずと行動範囲も拡がり、いろんなお店にも行くことができる。本当に「10円玉を握りしめて」いろんな駄菓子屋さんを巡るのが日常だった。
どういう機会だったか忘れたが、1000円ほどお金をもらったことがあった。天文学的な大金だった。いろんなお店を周り、いろんな物を食べ、いろんな物を買った。「ゼータク」な気持ちに満ちあふれた。
しかし、お金はみるみる少なくなった。確か残り50円ぐらいだったと思う。
当時一番ほしかったのが「トランシーバー」。僕は買い物で気持ちが高揚しているまま、だるまや玩具店に向った。店の奥に展示されているトランシーバー。子供の目線よりもずっと上の方に大事に展示されている。
僕はその箱を指さし、トランシーバーがほしいというジェスチャーをした。お店のおじさんは少し不思議そうな顔を見せたものの、トランシーバーを取り出してくれた。
「ボク、お金はいくらある?」
笑顔で質問されたが、何となく怖くなってきた僕はサイフの口を開け、無言で突き出した。店のおじさんは優しい笑顔で、ゆっくりと
「あんなー、ボク。これはな、紙のお金で何枚かするもんやねん。せやから、ちょっと足りへんねや。またお金ためて来てな。待ってるで。」
と、言ってくれた。
なんだか恥ずかしいやら、申し訳ないやら、悲しいやら、照れくさいやら、色々な思いを胸に家路に着いた。
あれから25年経った。もうそのお店は二度と開かないだろう。そんなことをふと思った。

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